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やっとのことで出社し、業務準備を始めた受付嬢に手を振りタイムカードを押す。
ロッカーに荷物を置き、小さな鏡に映る自分は希望を信じていなかった。
左腕の時計がチャリチャリを音をたて、自分のディスクに向かう。
私こと、紫波優は大手広告代理店に勤める27才。
企画部に所属しています。
「おはようございます、優。」
肩を叩かれながら爽やかな挨拶を受けた。
同期の田中麻里が短い髪をサラサラとさせながら笑顔で立っていた。
麻里は経理部に勤務しているけど、プライベートでも仲良し!
「麻里。おはようございます、今日も元気だねぇ。」
「優が枯れてんでしょっ。」
笑いながら話す麻里は魅力的。
それに比べて私は、幼い。
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