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二発の発砲音を聞いた。
死に直面した集中力か、どの方向からくるかおおよその検討はついた。どうやら弾丸は間もなく私の頭蓋骨に届くようだ。
全てがスローモーションだった。身体も動かない唯一眼球だけが妙な風切り音の方向を睨めていた。死に神がけたたましくも笑ったような風切り音。
狙撃手に礼を言いたい。
それは迷うことなく右手の方向から、私を殺しに来た。
僅か数㎝の小さな絶望。
あぁ。間もなくコメカミに。
来た。
1メートル…。
50㎝。
30㎝。
10㎝。
2㎝。
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