焦がすから

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「あーぁ。失敗。ミューこっちに来て見てごらん。」ルトは楽しげにキッチンに僕を呼んだ。 さっきまでいい香りだったのにお鍋の中は真っ黒なカリカリの何かに変わっていた。 「また失敗。ミューこれ食べます?」 僕はブンブン横に顔をふって断った。 ルトは優しいから僕の為に色々なお世話をしてくれるけど、何一つ上手くいかない。 シェリスは凄くたまに僕を助けてくれるけど、普段は口もきかないしルトをじっと睨んでばかりいるから少し怖い。 ただ、ルトが昔「ここに顔をかけると良いですよ。」といって僕にくれたロープに顔を入れたら、シェリスが直ぐに切ってくれた。凄く苦しかったけどあれは助かったなぁと今でも思う。 ルトはよく「早く死ねばいいのに。」と微笑みながら僕らに言う。 僕は野菜ジュースと頭痛薬を飲んで笑った。
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