家の中

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覗いてみたら、中は普通だった。 だが、一人で椅子にじっと座っていた。 いや、一人じゃない。 何かが椅子に座っていた。 それは、ぼんやりと分かった。 テディベアだった。 しかし、それは普通のテディベアではなかった。 暗い赤色にそれは濃い暗い赤色に染まっていた。 しかし、そのテディベアに向けて彼女は、楽しそうに話し出した。 よく聞こえなかったけれど、友達と遊んだとか聞こえた。 何でなんだよ。 こんな小さな少女がこんな辛いもの背負ってるんだ…… いますぐ、助けたかった。 でも、出来なかった。 手に血が染まっていた。 そんな感覚が溢れた。 この少女は、汚れた手で助けても汚してしまう。 走って逃げた。 そして、紙に書いた全てを。
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