ある少女の話。

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それからは、落ちるばかりだった。 家を売って小さい家と生きていけなくなった。 お母さんは、どこか消えてしまった。 でも、お父さんだけは怒らなかった。 ただ、昔と代わらず優しくいてくれた。 私の罪悪感は胸を痛ませた。 「私のせいなのになんで怒らないの?」 一度だけ、訊いてみた。 そんなときもお父さんは、 「お前は悪くない」 そうとしか言わなかった。 そして、1ヶ月後に私がおつかいに行っている時のことだった。 開いたまま扉のなかに入ると荒らされていた。 その家の中にお父さんが倒れていた。 強盗だった。 お父さんは、近くの森に埋めた。 その時、私は死んだの。 だから、今は幽霊なの。 私、死んじゃったんだ。
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