執行

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 以蔵は酷く怯えていた。  連日連夜続く、地獄のような拷問で、手も足も機能はしないが、激しく小刻みに動く振動は止まらない。  この岡田以蔵、つい今日まで連続殺人鬼として知らぬ人はおらぬほど有名な男であった。  それが捕縛されると、今では拷問に耐え切れず己の犯した罪を自白し、生気が抜け、痩せこけ、ただ怯えていた。
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