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第一章 紅と蒼の双魔女
灯台下暗し。
人はどんなに大切なものでも、身近にある限りさほど意識をしない。
そこにあるのが当然であり、必然だと考えてしまう。
それは人であったり、物であったりする。
一度それが失われてようやく気付く。自分がいかに愚かな空想に浸っていたのか。
どうして早く気付かなかったのか。どうしてもっと大切にしなかったのかと悔やむ。
しかし……人はそこで終わらない。
喪失の悲しみを乗り越えて、新しく大切なものを見つける。今度こそは本当に大切にしようと心に抱いて。
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