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「ささっ。 早く白にあいに行こう!」 若干慌て気味に赤は俺の背中をぐいぐいと押した。 「何慌ててるんだ?」 ぐいぐいと赤に背中を押されながら俺は玄関へと向かった。 「そりゃ、俺に会いたいからだろ?」 俺は背後からの声に反応し咄嗟に振り向いた。 背後には背が高く黒い瞳に切れ長の目の腰まで長い銀に近い白髪と白いスーツが特徴的な青年がいた。 青年は目を細め笑っている。 青年をよく見ると地に足がついていなく、少し浮いている。 「何だお前は! 不法侵入だぞ!」 不思議な青年に躊躇する事なく俺は怒鳴りつけた。 「白!?」 青年の顔を見た赤は青年の名前を呼んだ。 こいつが赤が言っていた『白』か。 確かに見た目は『白』だな。 申し分ないくらいに。 「いやはや。 紹介が遅れてすまないね。 本名はワケあって名乗れないが、俺は白という」 髪の毛をかきあげながら白は軽く自己紹介をした。 喋る度に白は一々ポーズを決める。 ナルシストなのだろうか……。 「………アンタが白か。 どうやって入った?」 第一の疑問。 何の音も気配もなく白は俺達の背後にいた。 もしかしてこれが白の能力なのか? 「テレポーテーション」 白はすました顔で平然と答える。 「は?」 テレポーテーションって自由自在に好きな場所へ行けるアレか。 「白の能力の一つよ」 補足するように赤は言う。 「能力の一つって事はまだ他にもあるのか?」 そうだよな。 だって現に白は浮いてるからな。 あえてつっこまなかったけどさ。 「ノーコメント」 相変わらずの笑顔で白は答える。 一々カンに障るよな。 「あぁ。 それはすまなかったな」 ん? いや、俺今声にだしてないぞ? ……って事は。 「げっ。 まさかアンタ心が読めるのか!?」 それしか考えられない。 「うむ」 表情を変えずに白はコクリと頷く。 「幾つ能力があるんだよ……」 思わずつっこむ俺。 「さぁね」 わざとらしく白はとぼける。 何だ、この『白スマイル』は。
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