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「白は……複数の能力を持ってるのよ」 白をみながら赤は言う。 「お陰で化け物扱いさ」 笑いながら白は言ってるけど、どこと無く哀愁を感じる。 人は自分と異なる奴は受け入れるのに躊躇する生き物だ。 俺もそうだったから。 くだらんクソみたいな能力のせいで、周りからは仲間外れにされ煙たがられていたから。 だから、白の気持ちもわかる。 「……白さんだっけ? 何でタイミングよく現れたんだ?」 俺は白に容赦なく疑問符をぶつける。 「いや、ね。 赤が俺に会いに行く何ってほざいてたからさ、俺から出向いたワケよ」 頭をポリポリかいて白は簡単に説明した。 「相変わらず地獄耳よね」 嫌味たっぷりに赤は言う。 「エヘン」 赤の言葉に反応し白は威張る。 「……何威張ってるんだか。 てかさ、答えになってないから」 さりげなく俺はツッコミを入れる。 「言わなきゃダメ?」 何故か白は可愛らしく、上目遣いで俺を見る。 おぇっ。 男に色目使われても嬉しくないわい。 「いや、不自然だし」 何で隠そうとしているんだ、白の奴。 「単刀直入に言うとある人に頼まれて今秘密のプロジェクト施行中でばれたらまずいから出向いたのさ」 ぺらぺらと白は喋る。 案外素直に白状したな。 「秘密なのに言ってよかったの?」 ほら、つっこまれた。 赤は的確だな。 「しまったぁぁ! 墓穴掘ったぁぁ!」 ガツンガツンとドアノブに白は頭突きする。 頭鍛えてるのか、コイツ……。 「天然なのか?」 何か始めと印象が違う。 第一印象は知的でクールな感じだったんだけどなぁ。 「究極の天才で尚且つ究極の天然よ」 さらりと赤は言う。 いや、さらっと言う事じゃないだろ。 「ご挨拶だよな。 それが人に物を頼む時の態度?」 さすがの白もムッとしたらしい。 顔は相変わらず笑っているが、目が笑っていない。 「……やっぱり気づいていたのね、あたし達が色々聞きたがってるのを」 赤は白をジッと見ている。 不思議なもんだよな。 白には何でも見透かされてるような感覚になる。
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