プロローグ

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「ねえ、兄さんってさ……どうしてチンピラみたいな性格なのにおおきい族の総長になれ――ッ!」 「これ以上なんか言ったら殺すぞ、クズ」 ナイフを首に突きつけられた。 か弱い乙女にナイフを向けるボスってどうなんだろう? 本っ当に兄さんてベタベッタなチンピラだよね。 ……って、こんなこと言えるのも僕が族の情報係と言う とっっっっっっっっても大事な役目を任されていて殺られないということがわかってるからだ。 まぁそのせいで兄さんの命令とかで徹夜…ってのも少なくなくてね。 その時、僕の暗い部屋のドアが開いた。瞬時、目に飛び込んでくる派手な色。 「よっす!ボス!やっぱ瑞木ちゃんの所っすか。今度は何処を潰すんスか?」 「っ…!…お、男……ッ」 急に乱入してきた、ジャラジャラアクセサリーをつけている若者は、僕に軽く微笑みかけた。 「あ、まだミズちゃんは男嫌いなおってないの?つれないなあ、ボスだけじゃなくて俺ともちゃんと話してよ?…ま、そんな態度の瑞木ちゃんも可愛いから、いいけどー」 …だって、男って……怖いよね? なんか外に出るとすぐ話し掛けてくるわ兄さんにボコられた恨みだわ。ギラギラ目を光らせてこちらを舐めるように見てくる変態共は、軽くトラウマだ。 全く、お陰で変な癖が出来てしまった。 つーかさ…… 僕、別に可愛くないと思うんだけど。(いえ、すっごく可愛いです)黒髪に黒目、デスクワーク派だから肌は青白い、(透き通るような白い肌)寝不足で隅はできてるし。 ショートカットって今時流行ってる?知らないけど。 それにいつもTシャツにパーカー、ジンズっていうファッション感覚ゼロな格好だし。 胸は標準だし。ヒップなんか無いし。身長150ストップだし。 うん、おたく決定。 ……………じゃなくて!
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