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「……っこの…っ」
リーダー格の男がいらいらとスタンガンを指差す。
「そいつを、置いて貰おうか」
「えー、やだ。」
「なっ…」
周囲の男達が驚いた顔をする。断られるとは思わなかったのだろう。あんたら、馬鹿?マジでそんなことすると思ってたの?
パイプが、首を絞める。息が浅くしかできないし、妙な圧迫感を感じる。でも…
「お兄さん達、さ…、本当はこんなことしたいんじゃないんでしょ?」
「……っ」
「おそらく、だけど。」
後ろに羽交い締めにされる。
…もう、頭は動かさず体だけで攻撃を避けるなんて芸当は力が入らないから出来ない。
「“ボス"に、さ…、自分の隠蔽したい、情報…。捕まれてたり…。してる、の?」
「…!」
僕の後ろに感じていた雰囲気が、変わった。
こう…重い感じの?
「…俺だけじゃねぇよ。ここにいる全員がそうだ。…クソッ」
吐き捨てるように言う男。動揺したせいか、更にパイプがしまる。
「くっ…ね、ねえ」
「あん?」
「一緒に…、倒しにいこうよ?“ボス"をさ」
瞬間、パイプが喉から離れる。
咳き込みながら男を見上げると、彼は少し震えていた。
「お、お前…本気か?」
「うん、本気。」
頷いて見せる。
…と言うか、兄さん、やっぱり“柊"のボスには勝てない。
やばい。時間が、ない。
「来るの?来ないの?…まぁ良いけど。…あと、放してくれてありがと。
急いでいかなきゃいけない所があるんだ!」
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