好きのカケラ

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三日ほど前。 サトルにとって衝撃的な出来事があった。 ずっと片想いをしていた女の子が転校してしまったのだ。 サトルは激しく落ち込み、誰が見ても元気がなかった。 そして今日。 放課後。 サトルが帰ろうと準備していると、 「おい、サトル!」 元気の良い女子の声が聞こえた。 同じクラスでいつもサトルにちょっかいをかけてくるチアキだった。 男勝りの元気者で、おとなしいサトルからするとちょっと苦手なタイプだ。 「なに?チアキちゃん、何か用?」 「何?じゃないよ!…アンタ、何か拾い物しなかった?」 「拾い物?…ああ、これ?」 サトルは思い出し、キーホルダーをポケットから出す。 「そう、それ。それさ、私のなんだ」 「えっ?そうなんだ」 「意外…」と続く言葉を飲み込み、サトルはチアキにキーホルダーを渡す。
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