プロローグ

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そして卒業式当日。 友達の中には早く高校に行きたいだのと、期待だけを念頭におく者もいて、少し羨ましく思った。 この時、自分としては今のままでこの世が止まっていてほしいと思っていた。 遠くを眺めても真っ白の空白。 何も見えない未来…その先にある自分自身に辿り着くのを恐れていたのか、特に努力もしていなかった過去を、後ろを振り向く事を拒んでいたのか。 どちらにせよ、臆病者だったのだろうか…。 今を大事にしたいとか、聞こえの良い言い訳もあったが、今を大事にするなどと言っても、大した努力もしていなかった自分には不釣り合いな言い訳だった。 中学時代の俺なんて、悪く言えばそんなちっぽけな存在だった。 ―――それでも、人は変われる。 たとえ臆病者だろうと、どんなに周りから遅れをとったスタートだろうと、 『人』としての価値はそんな簡単に決まるものじゃない。 そう胸を張って言えるような『人』になろう。 …いつしかの俺はそう思った。 ―――成長と共に歩み出した日々を綴る。 ――――ほのぼのdays!――――
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