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樹ん家―居間―
私「わざわざお時間頂いてすみません。」
樹母「まぁ気を使わなくていいのに。」
樹父「話はアレだ…樹から聞いてるし、しょっちゅう泊まりにも来てるんだし、気にしないで居たらいい。樹の隣の部屋空けたから。」
私「はい…。」
私はテーブルの上に通帳を置いた。
樹父「なんだ?」
私「家賃です。中学卒業したらアパートを借ります。だから、それまでお願いします。」
樹母「Kちゃん?お金なんていいのよ?たまにおばさんのお手伝いしてくれればそれで…。」
私「もちろん、家事はやります。というかやらせてください。でも、私なりのケジメですので、家賃を受け取ってもらえないなら、私もただで住まわせてもらうワケにはいきません。」
樹父「分かった。Kちゃんがそう言うならいただこう。」
と言いながら通帳をチラッと見た樹父の顔は、驚きを隠すのに精一杯な様子だった。
私は、
「では、これからお世話になります。よろしくお願いします。」
と、頭を下げ、無邪気さを装って、樹に
「早く部屋見たい、行こ。」
と慌てて樹を引っ張った。
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