同棲

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  『コンコン』 ノックが鳴った。 「はい。」 ドアを開けると、樹父。 手には通帳を持っている。 樹父「…」 私「あ…」 樹父「Kちゃん、こんな大金…」 私「私が、自分で稼いだお金です。」 樹父「そうか…」 私「綺麗なお金だとは言い切れません。でも、私は…」 涙が出そうになった。 言葉が続かない。 樹父「…分かった。Kちゃん?」 私「はい。」 樹父「1つだけ約束だ。サボってもいい。成績が悪くてもいい。進学はしなさい。」 私「はい…。お部屋、ありがとうございます。」 樹「こら~親父~!」 騒々しく樹が駆けてくる。 樹父「なんだ騒がしい。」 樹「いくら親父でもKに手ぇ出すなよな。」 樹父・私「あはは…」 樹父「若いモンの邪魔はせんよ。出かけるなら夕飯までには戻りなさい。」 樹・私「はい。」  
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