第一章:さかのぼる……

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その女の名前は、 『ユウ』 俺はまだそれしか知らなかった。 ユウは俺の胸に、甘えるように顔を埋(うず)めると、細い綺麗な指で円を描く様に体の上で走らせる。 薄暗い中で、ユウのマニキュアに入ったラメが、夜空に浮かぶ星のようにキラキラと輝きを放っているのを、口に煙草をくわえたまま俺は眺めていた。 そして、そのまま静かにセックスの余韻に浸る。
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