プロローグ

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今日はとても良い日だった。 早起きしたのに何かすっきりと起きられたし、学校に行くバスの中で中学でお世話に担任にばったり会って色々お話したり、学校ではテストの点良かったぞ。と苦手な数学の先生から褒められ、お弁当には美兎の大好きなハンバーグが入っていた。 うーん…なんて良い日。 しかも今日は美兎の好きな小説家の新しい小説発売日。 嬉しいっ嬉しいっ! そんな小躍りしたい気持ちで学校帰りに本屋に立ち寄り小説を買った。 「家に帰ったらゆっくり読む」 そう、思ってたのに ───…丈夫!大丈夫ですか!? ───ひっ…やだ、あれ…! ───あぁ……なんてこと… 「……え、」 ごぽりと嫌な音を立てて私の口から血が滴り落ちる。 なにこれ、意味解んない 声を出そうとしてみたけど掠れた声しか出なかった。 なんで?なんで動けないの…… 「お姉ちゃぁん…やだぁ!!死んじゃやだぁ…!!」 この子、誰だっけ 「俺、俺が車に気付かなかったから…!!」 車……?あぁ、思い出した。 私、この子を庇って、車に轢かれたんだ。 小説買った帰り道でこの子がボールで遊んでて危ないなぁって思ってたらボールが私の足元に来て、渡そうと思ったら… 後ろから車が走って来て気づいたらこうなって…ああ痛い痛い痛い痛い!事故に合ったと理解したら急に身体中が痛くなってきた。 骨が軋む音がする。口から血が出たって事は内臓が損傷してるのかな、痛い。 「ごめっ…!ごめんなさぃぃ…っ」 全く、謝って済むと思ってんのか。 謝ればなんとかなると思ったら大間違いだよ。 「ほんとに、ごめんっ…絶対ッ、お姉ちゃんに償うから…!死なないで…!!」 …………………… そんなにボロボロ泣かないでよ。まるで美兎が泣かせてるみたいじゃない… いや、そうか。美兎が泣かせてるのか。 事故に合ったのは…この子も悪いけど、私も注意してなかったしなぁ 別にそこまで謝らなくてもいいよ なんか不思議と悲しかったり、死んじゃうかもしれない恐怖とかないし 多分、助かるんだよ。私。 だから、大丈夫だって 「…!!お姉ちゃん…!お姉ちゃん!!ダメだ!いかないで…!!!」 あぁ、眠い。 目を開けてられない 寝ちゃおうか。 そうね、後の事は…また後で考えれば、いいわ…
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