理由ある犯行の失態

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   「あ、あなた達は何なんですか!?ボクは何故こんなところに……ボクは、そうだ、実験に…」  「実験に、なんだ?ええと………シュテインマイヤー博士?」  ブルドッグが顔を近づけて聞いてきた。ニヤニヤどころか、白けきったツラをしてやがる。  くそ、おれのIDは偽造じゃない、それを疑うってのはよほどのバカか鼻のきく奴だ………絶望するな、人材データベースの書き換えは完璧だ、おれは本物のシュテインマイヤーだ。  「いや、だから、警報で実験室の電力がスタンバイに戻ったんですよ!ボクはモジュールのバイパスをつなぎ替えるために床下に潜ったわけで………」  「そしたら実験が突然始まった?ふうん」  「なあアルフレッド、自分が偽者だって認めないなら話すだけ無駄だろ」
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