序章

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仕事は充実している、それには満足もしていた。 深夜近く、都内のマンションに戻る。 「何なら、少し俺が株買い取るから、買えば良いだろう?」 何時だったか、住んでいるマンションの話になった時だ。 「そうなんですけどね、何だかお一人様の典型みたいじゃないですか」 「そんなものかな?」 「そうですね、十分家賃ぐらい払えますから。賃貸で良いですよ」 月に18万の家賃、半分は会社持ちだ。 どうせ、誰かと住んでいるわけでも無い。とりたてて趣味に散財する事もない。 そう考えると、ふと虚しくなってしまう。 何人かの男と付き合った、大抵は何かがズレてしまう。 それは、生活に関してのズレだったり、相手によっては私の収入に対してだったりした。
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