序章

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書き込まれるのは、頻繁ではなかった。 《今日は良い天気だよね》《おはよう!》 大半は、そんな短いコメントだけで、私の返事も同じ様なものだった。 何度か、週末の夜にメッセージのやり取りをする様になった。 プロフィールに年齢はない、それでも私より少し年下なのだと感じる。 丁寧な、相手を気遣う文章が好きだ。こちらの素性を探るような事も無い。 少しだけ、悩んでいる風な事を書けば、必ず言葉を残してくれた。 それは、甘やかすだけのものでも無く、責めるものでもない。 可笑しな話なのだろうけれど、文字からは柔らかな愛情の様なものが伝わってきた。 会った事も、話した事も無い相手に徐々に惹かれてゆく私がいる。
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