序章

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依存したいわけでは無い、精神的な安定を望んでいるのでも、無いような気がする。 それでも、愛しい男に抱かれていれば幸せだと感じる事を知っている。 知っているからこそ、それを求めてしまうのは必然だと思うのだ。 この数年で、仕事以外の人間関係は皆無になった。 仕事をする事は嫌いではない。部下の男達を使う事にも、何処かで優越感を感じている事も確かだ。 ただ、それは男だとか女と云ったジェンダーによるものでは無い。単に、企業人として感じる事に他ならない。 その点に関して言えば、あの社長ですら勘違いしているのかも知れない。 結婚する事、それだけが女の幸せだと迄考えてはいないだろうが、自分が振り回したせいで、私が婚期を逃したかもと、思っている節がある。
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