プロローグ

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出来たばかりの国には人が少なくギルドも無い、ともなれば依頼が無いものだから冒険者等が集まるわけもなくこういった高位の巨魔や魔物に対処できる人物が少ない。   そんな事からこの国は自然とこう名がつけられた【敗国】   この国に優秀な人材は少なく、優秀と言われる人材はほぼ隣国に取られている。   隣国は今頃この状況を知り、急いで自分の国の防衛の準備をしているだろう。   この国の王はこの現状を知ると顔を真っ青にして兵士を連れこの国から逃げ出した。   この国は見捨てられたのだ。   国を護る兵士が真っ先に逃げ出したこの現状を住人が知れば暴動は免れないだろう。   今暴動が起きていないのはマリアの迅速な対応あっての事だ。   この国産まれの兵士は逃げ出さずクラインの命令通りに動いているだろう。   クラインの命令は聞かなくてもわかる、『俺がこいつを足止めしてる間に全ての門を封鎖しろ!』だろう、これだからバカは好きじゃない。   マリアの願いを聞いた訳じゃない、ただこのままクラインが負けたらあの凰虎はこの国に侵入してくるだろう。   そうなれば嫌でも戦わなければならない、そうなる前に先にどうにかするだけだ。   ハンマーを担ぎマリアの横を通り抜け外に出る。   ドアにはここ数年間触っていない看板をひっくり返す。   『今日は臨時休業だ』
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