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兵士は口を開けて固まっている、それも俺のせいじゃない。
外にいる凰虎は健在だ、傷一つ無い実に綺麗な毛並みだ。
赤い毛に黒い眼差し、見るもの全て魅了するような立ち振る舞いと圧倒的存在感。
つい口から漏れる言葉は『ペットにしたい』
下敷き状態のクラインの生死を確認する為に倒れた扉を凰虎に蹴り飛ばしクラインを救出する。
【犯人は絶対ホロ】
クラインは下敷きになった状態から血でわざわざ地面に書いたのだ。
余裕あるな、それとトドメ。
クラインを持ち上げ走ってこっちに来るマリアの方に投げる。
投げる力が強すぎてマリアの後ろの壁に激突したのは見なかった事にしよう。
それよりも、こいつだ。
門?を出てから凰虎はずっとこっちを意識している、それは殺気ではなく別の何かだ。
まるで品定めされているかのような感覚、そのせいでクラインを投げる力が強すぎたのだ、間違いない。
ハンマーを持ち再度凰虎と対面する、互いに目を離す事は無い、ジリジリと詰める間合いに最初に動き出したのは凰虎だ。
4メートルもある巨体にもかかわらずまるで重力が働いていないかのような動きを見せる。
円を描くように俺の周りをグルグル周り、視線が外れた直後、凰虎のたいあたりが背中にむけて突っ込んで来る。
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