プロローグ

2/23
375人が本棚に入れています
本棚に追加
/52ページ
鍛冶屋、それは己の身体を護る防具を作りし者。 鍛冶屋、それは己の力を最大限に引き出す武器を作りし者。   もう冬が近いであろう寒さにいつもながらのハンマーを背負い親父のいた鍛冶屋へと向かう。   いた、と言うのは過去であり今現在この鍛冶屋を経営しているのは他の誰でも無く俺自信だ。   親父は一月前に武器を隣国に届けるため馬車で村を出て行き、その途中魔物か魔獣に襲われて亡くなった。   母親はいない、俺は拾われたのだ。   そんな恩を返すため日々常に親父の仕事の手伝いに明け暮れて13年。   今日で25歳を迎え親父の仕事を受け継いだ今ならわかる。   『まじ…無理っす』   鍛冶屋の重い扉を開けた先に見えるのは依頼された兵士達の剣や槍などの研ぎ依頼だ。   しかも量が尋常じゃないくらいに多い、30本40本ならまだしも80本は軽くあるだろう武器は今目の前に山積みにされている。   その依頼を請けたのが昨日の閉店間際、そしてこの依頼の品【武器】を受け取りに来るのは今日の閉店前である。
/52ページ

最初のコメントを投稿しよう!