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『えっと、値段は50銀貨で問題ありませんか?』
受けとった品を回収後マリアが小袋を持ってきた。
中身は見るまでも無く今回の依頼の報酬だろう。
この世界の金の価値は上から鋼金銀銅となっている。
100銅で1銀
100銀で1金
という具合だ。
結婚して4人暮らしが1月にだいたい20銀貨使うくらいと考えたらわかりやすいだろう。
話しは逸れるがクラインが1ヶ月にもらえる給金はおよそ80銀貨だ。
これは本人談ではなく実際に受けとった所を見たからだ。
くそっ、羨ましい。
『あの…少ないでしょうか?』
返事をしなかった俺に対しマリアは報酬が少ないと思っているのか財布を取り出し10銀貨上乗せしてきた。
『いや、50で問題ない。』
マリアの10銀貨を返し50銀貨を棚にしまう。
『いつも助かります、最近鍛冶屋も減ってきてこの国ではもうここしか頼める場所が無くて…』
苦笑しながら肩まで伸びた髪をくるくる指で遊びながらお礼を言うマリアはどこか恥ずかしそうだ。
お礼を言うのが苦手な人なのか…?
マリアは再度深くお辞儀をしおわると鍛冶屋から出て行った。
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