プロローグ

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うん、断ってしまった。   予想外の返答だと思ったのか?クラインは動揺を隠せないまま『そ、そうか』と言いながら鍛冶屋から出て行ったのを確認した。   さて、どうしようかね…このままクラインを見送るかそれともやっぱり討伐に参加するか…   今頃クラインは討伐隊を組むために一度城に戻ってる頃だろう。   『一応準備だけはしとこうかな…一度試したい【物】もあるし』   裏庭にあるハンマーを持ち上げ鍛冶屋のある一角に置き、ある細工を施し最後に布を巻き付ける。   後はいつか来るであろう戦闘に向けてある人物からの連絡を待つのみだ。   だがその連絡は思った以上に早かった。   凰虎が国の正門前まで接近して来たのだ、伝令や非常時の鐘の音も鳴っていない、おそらくそんな間も無く一直線に突っ込んで来たのだろう。   ん?なぜそんなことがわかるか?   鍛冶屋でハンマーの手入れをしていたらマリアが血相を変えて飛び込んできた。   内容はさっきの通り簡単に説明してくれたが問題はその後だ。   『今外で正門が閉まるまで騎士団長様【クライン】が凰虎の足止めをしています、私もすぐに向かいたかったのですが…今の私では足手まといになりかねません…お願いします…力を貸してください。』   最後はかすれる声で聞き取りにくかった。   どうして俺なんかに助けを求めるか   簡単だ、この国には騎士はいるが冒険者がいない、この国が出来たのはおよそ20年前で国と言えるかどうかすら怪しい状態だ。
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