打ち上げ(続・恋か受難か)

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みんなで河原に降りる。 真っ暗なので、母さんの銀色の炎を灯す。 京はさっそく川に入って遊び始めた。 無邪気な奴だな、鬼の癖に。 秋も正也も一緒になって遊んでる。 バーべキューでかいた汗を流すように、みんなTシャツを脱いで水を掛けあってる。 俺も脱いで、少し水に浸かる。 水が冷たくて、気持ちいい。 和泉さんは親父と母さんの傍に座って、たばこを吸ってる。 俺は母さんの炎を真似て小さな炎を作り、それを母さんの方へゆっくりと飛ばす。 母さんはそれに気がついて自分の炎がコントロールを離れたと思ったようで一瞬驚いていた。 「鬼火・・・。使えるようになったの?」 俺は黙って頷く。 不意に、気配がした。 一瞬で場の空気が変わる。 和泉さんは俺の傍へ飛んできて、俺の腕を掴む。 どこだ。 「大丈夫だ。」 京が言う。 みんなが京のほうを見る。 「この山に住んでるやつだ。」 ふわっと俺の前に気配が現れる。 「わたしも一緒に遊びたい。」 ワンピースを着た女の子・・・。 宙に浮いてる。 5、6歳ってとこだ。 そっと俺の頬に触れようとする。 この子、鬼だ。 「だめだよ。こっちへおいで。」 京がその子の手を引く。 「京・・・?」 女の子が京の方を見る。 京はふわっと、大人の姿になって女の子抱き抱える。 子供をあやすように、そっと抱き寄せる。 「この子と遊びたいわ。」 「いいけど、まだ子供だから、あそこに母親がいる。見てごらん、すごい顔で睨んでるだろ。」 俺は母さんのほうを見る。確かに、睨んでる。 「ほんと、恐い・・・。」 「だから、不用意に近づくとあの母ちゃんに怒られる。」 「あっちの子は?」 正也の方を見る。 「あれも。」
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