1人が本棚に入れています
本棚に追加
――給食の時間――
「いただきます。」
「なぁ。美佐、魚食って。」
「は?絶対イヤ。」
なんで私?ほかの奴に食べてもらえばイイジャン。
「じゃあ。理輝、魚やる。」
理輝、頑張れ!断るんだ!
「えっ。俺もうお腹いっぱい。」
よし!イイ子だ!こんどのテスト、答え教えてやるぞ!
理輝の返事を聞くと良樹は顔をゆがませた。
ワガママ王子はその対応がお気に召さなかったようだ。
「おい。」
私は良樹の言葉を冷静にさえぎった。
「良樹、理輝いじめすぎ。」
理輝が良樹のパシリにならないように助け船を出した。
「なんだよ。二人そろって!…っあ!美佐、お前理輝のこと好きなんだろ。そうだろ、だからかばうんだろ?!」
言うと思った。良樹はピンチになったらいっつもああいう。
そして私はこう受け流す。
「良樹が触った汚い魚、理輝が食べるの可哀想と思っただけ。」
本音をそのまま言ってやる。
すると、チッ、て舌打ちして身を引きボソッと呟く。
「素手で触ってないし。」
ムカつくが扱いは簡単だ。
単純だし。
最初のコメントを投稿しよう!