―プロローグ―

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――給食の時間―― 「いただきます。」 「なぁ。美佐、魚食って。」 「は?絶対イヤ。」 なんで私?ほかの奴に食べてもらえばイイジャン。 「じゃあ。理輝、魚やる。」 理輝、頑張れ!断るんだ! 「えっ。俺もうお腹いっぱい。」 よし!イイ子だ!こんどのテスト、答え教えてやるぞ! 理輝の返事を聞くと良樹は顔をゆがませた。 ワガママ王子はその対応がお気に召さなかったようだ。 「おい。」 私は良樹の言葉を冷静にさえぎった。 「良樹、理輝いじめすぎ。」 理輝が良樹のパシリにならないように助け船を出した。 「なんだよ。二人そろって!…っあ!美佐、お前理輝のこと好きなんだろ。そうだろ、だからかばうんだろ?!」 言うと思った。良樹はピンチになったらいっつもああいう。 そして私はこう受け流す。 「良樹が触った汚い魚、理輝が食べるの可哀想と思っただけ。」 本音をそのまま言ってやる。 すると、チッ、て舌打ちして身を引きボソッと呟く。 「素手で触ってないし。」 ムカつくが扱いは簡単だ。 単純だし。
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