―プロローグ―

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パターンがあるのは良樹だけじゃない。 「良樹、良樹。美佐ってメッチャ俺らに差別してるよなぁ。」 差別したくもなるっしょ。 …コイツだ。佑賀凜(ゆうが・りん)。良樹がいないとなんにも出来ない、やかましい子犬だ。 背が高いから可愛くもなんともないケド…。 もちろん飼い主は良樹。 しつけぐらいちゃんとやれ!っつーの! 「マジでウザイしなぁ。」 その言葉、そっくりそのままお返しします。 バシッ! ん?今何か音がした? 良樹が頭を抱えてる。 「痛ったぁ!おい小崎!なにすんだよ!」 「あっ。ごっめぇん。当たった?見えなかったんだよねぇ。アハハッ!」 小崎笑(おざき・えみ)。少しチャラい。前髪をちょんまげにしていつもどうりの高いテンションで良樹をからかう。 「つーかそこ邪魔。ど・い・て!『すず』と喋るんだから。」 『すず』と言うのは帆井鈴音(ほい・すずね)のこと。 モテ女No.1と言っても過言ではないほど可愛い。長い栗毛にぱっつんの前髪。 ぶりっ子寸前の喋り方。 だけど、すずは嫌われ者じゃない。なぜなら限度を知ってるから。 真面目な話の時はちゃんと真面目に聞くし、ソコラヘンのぶりっ子とは訳がちがう。
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