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「ヒロ。手紙来てるわよ」
この手紙が始まりたったのかもしれない
手紙には差出人の名前がなかった
ヒロは封を切るのが怖かった。名前がないこともそうだが、封筒の色が真っ黒だからだ。お母さんは「誰から?」と聞いてきたが、ヒロは何も言わずに部屋に戻った
部屋に戻ると工作用のハサミで封を切った。ためらいながらも中身を出して読んでみた
『これは不幸の手紙です。
この手紙を読んだ人は1週間以内に10人の人に同じ内容の手紙を出さなければ、あなたは不幸になります。』
ヒロは自分の目を疑った
今時携帯電話が当たり前の時代に不幸の手紙
誰かのイタズラかと思ったが、出さないだけで本当に不幸になるのはイヤだなと思った。親に相談したいが、絶対くだらないと言って破り捨てるはず。
それはヒロの家だけじゃなく、どこの家も同じ
親友の久実には相談したいが、今は携帯が止まっていて、連絡ができない。明日学校で相談するために手紙と封筒をカバン入れた
今ヒロのもとへこの手紙が来てるということは、もしかしたら久実から届いたのかも
でも久実はこんなことをする小さな人間じゃない。むしろ犯人探しをするようなタイプだとすればクラスの誰かから
ヒロは考えるのをやめてベッドにダイブした
その時誰かが窓が叩いた
また“あいつ”かと思ったが誰もいない。念のため外も見てみたがやはり誰もいない。第一ここは2階。窓なんか叩けるわけがない。“あいつ”以外
次の日学校につくとすぐ久実に手紙を見せた
「これが不幸の手紙か。初めて見た。」
久実は手紙を何度も読み返しながら言った
久実はヒロと違って髪が長く、運動がちょっと苦手で、男子から人気がある
久実と話してると男子が後ろから抱きついてきた
「おはよ。ヘイセイ。」
「ヘイセイじゃない!ヒロ!」
今挨拶してきたのはヒロの彼氏の幸光隼人
“ヘイセイ”というのはヒロの字を『平生』と書くから
同じクラスになった人からは必ず「ヘイセイって読むの?」と聞かれる。久実もその一人。
「ところでまた貰ったの」
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