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帰りのホームが終わると朝みたいに隼人が抱きついてきた
「帰ろうぜ。」
隼人の大きな手がヒロの小さな手をやさしく握る
家まで送ってもらうてすぐ部屋に閉じこもり、ヒロが書いたということがわからないようにするため薄く下書きをした
少しでもヒロが書いたとわかる要素があれば消しゴムでキレイに消して何度も書き直す
下書きが完璧に終わると下からご飯よ、という声が聞こえた
あわてて時計を見るともう7時過ぎ
たった一枚を仕上げるのに3時間以上もかかってしまった
手紙を教科書の下に隠してご飯を食べにいく
食卓にはすでにお母さんとお父さんが座っていた
「勉強してたのか。」
「うん。」
ヒロは嘘をつくとき目が泳ぐ。でも親はそのことに気づいてない
10分ぐらいでご飯を食べ終えると食器を水につけ、大急ぎで部屋に戻った
一枚目の手紙同様残り9枚も下書きからとりかかる
たかが手紙を出すだけなのにどうしてこんなめんどくさい作業をしなければならない
10枚すべて下書きが終わると、次はボールペンでキレイになぞる。ちょっとでもずれるとまた新しく書き直す
この作業が終わった時間は夜長の2時
あとは送られてきた封筒と同じ封筒を買うだけ
送る相手は男子の出席番号順
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