夜の世界

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「よくやるよね~」 更衣室でヘアメイクさんに髪を巻いてもらっていると、隣で同じく髪をセットしていた美咲が煙草の煙を吐きながらそう言った。 美咲は先々月のナンバー3だ。 私は黙って次の言葉を待つ。 こういう挑発には乗らないのが一番賢いことを経験上知っている。 「スネオじゃんスネオ」   くだらない。私は携帯を取り出し、営業メールに取りかかることを決めた。 「こんばんはぁ~☆またメールしちゃいましたぁ。今日はお仕事どうでした?ナナはびみょーだったよ。疲れたから、今日は飲みまくってやるぅ~」 デコメ満載のメールを送信したところで、 「聞いてんのかよ、てめーだよ」 美咲が吐き捨てるように言った。
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