夜の世界

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簡単ではないだろうと思っていたが、いざキャバクラが駄目でも資格を持っているから、次に就職先を探すことは容易だし、気楽にはじめることが出来た。 思いのほか嬢としての資質があったため、給料はセラピスト時代の四倍はもらっている。 ただ、ドレス代や客へのプレゼント代など先行投資が何かと必要になるため、言うほど貯金は貯まっていかないのが現状だ。 加えてストレスが貯まる職業だから、嬢の中にはホストに貢いだり、食に走って激太りしたり、無駄にブランド品を買いあさっている人たちもいた。 いくら私でも、ストレスと戦うことは難しいからそう言う風に落ちていく嬢の気持ちも分かった。 私がそうならないでいるのは、彼の存在が大きいと思う。
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