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平成七年、七月某日。
熊本県の某小学校で、一つの事件が起こった。
遠足で登った山で、小4女児の行方が分からなくなった。
頂上で点呼を取った際にいないことが判明し、すぐに先生らが付近を探したが、見つからなかったため、県警に届け出た。
同署はしらみつぶしに山を捜索したが、立ち入り禁止の縄の奥で女児のものと思われる赤い靴が見つかっただけだった。そこから下に落ち、川に流された可能性もあるとし、下流も調べたが、何も出てこなかった。
一週間後、女児の顔写真を公開し、一般の情報を求めるも、有力な情報は見つからず、『平成の神隠し』と世間を騒がしたこの事件は少しずつ少しずつ人の記憶から薄れていくことになる。
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