夜の世界

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一樹は端っこの席で文庫本を開いて、ウイスキーをロックで飲んでいた。 男の人がBARで本を開いているところ見たのははじめてだったから少し印象に残った。 次にまたそのBARを訪れた時も同じ場所で同じように飲んでいた。 真ん中の席に座ろうとしたら、どやどやと四人組が入ってきたので、席を譲るために、一樹の隣に座ろうと移動した。 彼のバッグがそのイスには置いてあったから彼は慌てて、「すみません」とバッグを移動させた。 私も「すみません」と言ってイスに座る。 その時、彼が読んでいた小説のタイトルが見え、思わず声をかけていた。
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