13人が本棚に入れています
本棚に追加
私が話せば理解してくれようとしただろう、独立したいから資金を貯めたい。
だけど、その労力を考えるとうんざりして、私は黙ってはじめることにしてしまったのだ。
一樹には店舗が移転して六本木の深夜帯に働くことになったから、日曜しか会えないと伝えた。
一樹は何も疑わず「大変だけど頑張れよ」と笑顔で励ましてくれた。
この時は胸の奥がチクリと痛んだ。
日曜日は、出来るだけ一樹と会うようにしていた。
それは一樹にバレないために会うとかそういう理由ではなく、単純に、私が安らげる場所として会うことを欲していたからだ。
一樹は「まどろっこしいから一緒に暮らそうか」と言ってくるのだが、店のことがあるから出来ない。
最初のコメントを投稿しよう!