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ネオン街の一つのビルの四階に向かうため、閉まりかけていたエレベータに慌てて乗りこんだ。
「あ、ナナちゃん、おはよー」
エレベーターのボタンを押していたのは、四階のキャバクラ「EVER」で働く桃子だった。
作り笑いで応じる。
桃子はほとんど同じくらいに入店した同期だったが、接客が下手で空気が読めないところがあり、少し敬遠していたため、四階まであがるエレベーターの密室が息苦しく感じた。
チンという軽い音がしてエレベーターが開く。開ボタンを押している桃子の横を軽く会釈して通り過ぎ、すぐ目の前にある「EVER」と金色で描かれた文字の扉を開いた。
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