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幼い頃、親父が自分を連れて行った記憶がある…
よく判らなかったが、親父の膝に抱えられ、目がチカチカする様な明るい色彩の絵を見ていた
音が変わるとジャラジャラと銀色の玉が出て、親父がニコニコしながら自分を見る
咥え煙草をしつつ煙や灰も此方に気遣い、下の箱へ銀色の玉を移して、知らない誰か来たとこで俺を空いてる隣に座らせ席を立つ
帰り道は手を繋いで歩き、途中立ち止まった親父は見上げると抱える茶色い紙袋から板のチョコレートをくれた
それをかじり肩車されながら家に帰った懐かしい記憶
日頃忙しい為に滅多に遊んで貰えないから、親父と居るのが嬉しかった
いつしかそれも無くなり、小学生時代を過ごし…
パチンコ屋に自ら足を踏み入れたのは中学生時代
仲間達と一緒に変形学生服とズボンを買った帰りだったと思う
まだ学校の先輩達に遠慮して選んだワタリ36位のボンタンと、セミ短と呼ばれる学ランの袋を手に、駅一つ隣の街での事だった
誰が言い出しっぺかは覚えていない
そこは煙草の煙と大音量の独特な世界
数名の大人達はこちらをチラリと見たが、また視線が各自の正面へと戻る
…まだガキの自分達には入ってはならない…
そんな空気を感じる場所だった
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