パチへの傾倒

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三人は待ち合わせを7時に焼肉屋の前と決めたらしい。 オイオイ…昨日も行ったじゃねーか、その店… …まあいいや… 「じゃ7時にねー」 そう言い残して彼女はまた自転車で去って行った。 AとHは浮かれ気味。 が、俺を見ると 「なぁ…嫌そうにすんなよぉ」 「いいじゃん、悪い子達じゃないし」 ときたもんだ。 何だよ、何も言ってねーだろ。 ふぅ… 別に嫌がっちゃいないが、男女グループで飯を食いに行くなんてした事が殆ど無いからだ。 高校生時代に一度あったが、それも疲れたしなぁ… 何て言うか…苦手ではある。 付き合う彼女は居たりしたが、これは別だろう。 と言っても二人に迷惑はかけたくない。 話をはぐらかし、待ち合わせ時間までまだあるからと、喫茶店へ移動した。 コーヒーを頼み、パチスロの話を… あらら… もうAとHは彼女達の話題か。 仕方なく近くの棚から雑誌を手に取る。 たまたまこれが、パチスロ雑誌だった。 古い本らしく、破れたり色あせてもいる。 開くと見覚えがある台の説明が。 これは確かコンチネンタルじゃないか? 高校生時代の事を思い出すのは、今日の流れからも当然だったし、俺は早速読み始めたのだった。
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