君の 宍戸

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それでも寒くて寒くて どうにもならないから 寒い、寒いと連発していた。 …すると…。 ずるっ。 自)「え…。」 気付いた頃にはもう遅く、 体を襲う妙な浮遊感に 包まれていた。 そう。 転んだのだ。 自)「痛ったー…。」 おしり打った。 尾てい骨絶対折れた! 声にならない声を出しながら 立ち上がれないでいた。 だから冬道はイヤなんだよ! 氷で滑るし寒いし! 良いことなんか1つもない! なんて 内心ぐちぐち言っていると 目の前には手。 ん?と思い顔をあげると しょうがないな、みたいな 顔をした亮。 宍)「ん。」 私はその手をつかんで 立ち上がった。 自)「ありがと。」 宍)「ん。 滑るから気を付けろよ。 …ってか手冷たっ…。」 亮はポケットに 手を入れていたから 私より暖かかった。 宍)「…しばらく このままでいいだろ?」 少しだけ顔を赤くしながら ぶっきらぼうに言った。 …冬も少しは良いかなって 思ってしまった単純な私。 君のその手を差しのべて? ___
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