心温まる 日吉

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自)「ぬぅ…。」 寒くて体が震えて 目を微かに開けると カーテンからはうっすらと 光がさしこんでいて あぁ、 朝なんだなって思った。 起き上がってみると 私は薄い布団を一枚だけ かぶって寝ていた。 寝るときには毛布と、 この前奮発して買った 羽毛布団(冬用)に はいって寝たはずなのに 何故か朝になるといつも 薄い布団だけになっている。 ただ単に寝相が悪いだけか。 ベッドの端に 追いやられている 毛布と羽毛布団を 自分に掛け直し、 二度寝しようとする。 …が、 一度ぐんと 下がってしまった体温は なかなか戻らなくて 仕方なく起きることにした。 せっかくの休みなのに…。 リビングに行くと 良い匂いがして キッチンの方を覗くと 若がいた。 自)「若おはよう…。」 日)「ん。おはよ」 コーヒーが入った マグカップを持ちながら 私を見て微笑んだ。 …それが同棲をはじめて 2ヶ月ほどたった ある冬の日の朝だった。 .
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