頼む、もう少し落ち着いてくれ!

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「すごい人たちだね…ミライは、あんなところにいたのか…」 部室から抜け出し、屋上に隣り合って座る。 ミユキは、空を見上げながら、そう呟いた。 もはや、あんなところ扱いだ。 「真面目な奴は、いないからな…」 俺は何となく指をいじりながら言う。 「あんなにすごいとは思わなかったよ!」 ミユキは、今度はこちらを向いて笑顔で言う。 確かに、あれほど濃いメンツの揃った部は、この学校にはない。 いや、市内にすらないだろう。 それほど濃いメンツの揃った部で、よく今までやって来たものである。 「今さ、ミライが副部長でしょ?二年のアタシが入ったんだし、アタシがやるよ?」 ………願ってもない申し出である。 これはすぐに食いつきたいが、できない。 確かに俺は一年だ。 だが、ミユキは入部してすぐだ。 そんな人に、大役は任せられない。 と言うか、周りが許さないだろう。 顔を真っ赤にして怒るヒュウガを想像して、危うく吹き出すところだった。
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