あのな、ここはカフェじゃないぞ?

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「練習中だった?ごめんね。」 隣に座っている、金田美優紀が声をかけてくる。 俺の従姉妹で、同じ高校―東学園に通っている。 「いや、別に。」 俺は短く返事をする。 幼い頃からずっと一緒だったとはいえ、こうやって座っていると、照れてしまう。 “まだ、ダイジョブだな…” と、わけのわからない安心をして、右手に持った缶コーヒーの蓋を開ける。 プシュッと、隣から聞こえてくる。 そちらを見ると、ミユキがコーラを飲んでいた。 「……お前、好きだよな、コーラ。」 いつもしている、実にならない話題である。 だが、ミユキは無視して続ける。 「あのさー、アタシでも入れるのかな?」 「何が?」 いつもの癖で、軽く流してしまった。 これだから、オタクなのかもしれない。
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