頼む、もう少し落ち着いてくれ!

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「えっと、名前は、金田美由紀です。楽器はキーボードができます。初心者ですが、よろしくお願いします。」 ミユキが言い終わると同時に、盛大な拍手が沸き起こる。 今まで、そんなにしたことあるのか? と、聞きたくなるほどの拍手だ。 「えっと、まず、部員紹介から…」 俺がそう言った瞬間、男どもの目の色が変わる。 あまりにも単純なやつらである。 まず先陣を切ったのは、ヒュウガだった。 「ドラム担当の、一年!皆本ヒュウガです!」 まるで野球部のような、気合いの入った自己紹介である。 ミユキは笑顔を崩してはいないものの、明らかにマイナス効果である。 「ヒュウガ、先輩から自己紹介させろよ…」 俺が突っ込むと、バツの悪そうな顔をしてヒュウガは席についた。
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