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しまった…。仮面のヒモが切れてしまった…。
いつもは、持参している予備の仮面も今日に限って持ってきていない……。
幸いに、貴陽中心外から離れた人通りのない林道なのがすくいだ……。
影に命じ、代えの仮面を取りに行かせ
時間潰しに林道の端で、少し早い桜を見ていた。
『桜…見てるの?
花見にはまだ早いよ~。』
のほほんとした声で話かけられた。
遠くから、娘が一人歩いてくるのは気付いていた…。
だから、わざと顔を見られないように桜の木に向いて通り過ぎるのを待っていたと言うのに…。
何故声をかけてくるんだ!
わざとチッっと舌打ちし無愛想に
『見ればわかる…。』
一言だけ返事をし、いかにも邪魔だとばかりの態度をした。
そうすれば、すぐに去ると思ったのだ……。
しかし娘は、一向に去ろうとはしない……。
それどころか一方的に話かけてくる……。
『ね~ね~。
桜好きなの?
私も、桜は綺麗だからさぁ~。
好きだけど…桜餅が一番好きかなぁ~。
お兄さんは、桜と桜餅ならどっちがいい?』
『……………。』
『桜ってね。
綺麗だけど…
奴らが大量に落ちてくるでしょう~。
ほら、足がないやつだよ…。
ニョロニョロ…すすむのも恐いし。だから、
木の真下は危険なんだよ~。
お兄さんは、恐くないの?』
『………………。』
『あのね~。
桜がまたっく咲かなかった木がある年綺麗に花を咲かせたんだって…。
みんな不思議がっていたんだけどね~。
しばらくして、理由がわかったんだよ…。
実は、木の根元に死体が埋まってたんだって…。
桜の木は、死体を栄養にして綺麗な花を咲かせていたって聞いたんだけど…。
本当かなぁ~?
本当にそうならちょっと怖いよね~?
お兄さん本当だと思う?』
『…………………。』
『お兄さん…。
もしかして、何か?悩み事?
だったら、一人で考え込んじゃダメだよ?。
とりあえず、ここから移動して桜餅でも食べに行かない?』
『……………………。』
『桜餅凄く美味しい店だから味は保証付きだよ。』
『………………。』
『ん~……。
あっ、お金持ってないの?
それなら心配ないよ!
私が、支払うから!!』
『……………………。』
『サービスで………。
お土産もつけようかぁ~?』
無視すれど、全く気にしてないのか?
わざとなのか?
話かけ続け去る気配はない…。
こうなると、ハッキリ断るしかないと思い
声を低くくして
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