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貴陽中心外に近づくにつれ、顔を隠すように歩く
娘は、自分の持っていた羽織りを私に被せてくれ
礼を言うとニコニコと笑って、私の手を取って繋いで歩き出した。
その後ろ姿を見ながら外出もいいものだ
今日は、お忍びで珍しく黄家の衣でない
娘は、私が誰か気付いていないのだろう…。
私の顔を見ても、平気な娘…
私が娘の話ていた、仮面の男本人だと知ったら
どんな顔をするんだろうか…。
そんなことを考えていて、プッと笑い出してしまった。
笑い出したのに気づいた娘は振り返ってキョトンとした顔をしたかと思ったら満面の笑顔
『お兄さん、笑ってるの?
私も、幸せ~。』
そう言って…また、歩き出す。
そうこうしているうちに楽しい時間は、過ぎるのが早く
待たせてある軒に着いてしまった…。
少し残念な思いがしたが、軒に乗り込み借りていた上衣を返そうと差し出すと
少し首を傾けて
『いいよ。
笑顔の代金だよ~。お兄さんが、持ってて。
だから、あんまり悩んじゃダメだよ。
悩み過ぎるとハゲちゃうらしいからね。
せっかくの綺麗な髪が勿体なさすぎだからさぁ~。』
真面目な顔で言い出す。
それが、可笑しくてまた笑ってしまった。
私が、笑うのを見て安心したのか娘は軒の扉を閉め
『じゃぁ、またね~。』
手を大きく振り、見送ってくれた。
手元に残った衣を見ると娘の顔が浮かぶ…。
こんにちは、べにです。
駄文なのに読んでくださりありがとうございます〓
次は、誰の短編にしょうか?思案中…。
頑張って書いていくのでよろしくお願いします〓
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