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「さて、新しく編成された63技術試験隊「インフィロット」だが……諸君等にはとても期待しているよ。」
技術本部長「シド・ジョナサン」二等陸佐に呼び出されたツバサはシドの話を聞いていた。
「はっ!真に価値ある技術は正当に評価される物であると信じています!!」
ツバサはシドの言葉にそう返した。
「うむ、我々は近年違法研究者等の援助により過激化しつつある次元犯罪者達への対処のため、一刻も早く最前線で働く局員達に新技術を送り込んでやらねばならん。」
両手に顎を置き、肘をテーブルにつきながらシドは話を続ける。
「そこで、諸君等に初の任務としてこれを託す。」
そう言ってシドは空間モニターにある映像を映し出した。
「こ…これは……っ!?」
それを見たツバサは非常に驚愕していた。
管理局所属のL級物資輸送艦「ヨーツンヘイム」。
かつては連絡貨物船として管理局には属していなかったが次元航行艦の数にも悩んでいた管理局により改良を受けて配備された物である。
塗装は全体に迷彩柄を施しており、前方に僅かに飛び出た艦橋(ブリッジ)以外のほとんどが物資輸送用のコンテナで出来ている。
武装には牽制程度の物しか存在しておらず、元から足の遅い艦である事もありこの艦での輸送は少し危険を伴っている。
「…さて、ツバサ・ヤマザキ技術二尉…だったかな?
今回の荷物について話を聞きたいのだが…」
そう言って艦橋(ブリッジ)の艦長席を回してヨーツンヘイムの艦長「アレックス・プロノフ」二等陸佐相当官がツバサに振り向いた。
「解りました。ご説明します。
試作対艦砲撃端末「ヨルムンガンド」。
敵主力艦をその射程外から狙い撃つ大蛇です。
CW-QCX76A、カレドヴルフ・テクニクス社製であります。
打撃力の秘密は、術者の魔力を端末内部で瞬間編成し、硬体破壊砲に変換して出力することです。
有効射程距離は30キロメートル、打撃力は最低でもL級巡行艦の主砲の10倍以上、1キロメートル以内になるとアルカンシェルと同等の破壊力を得ます。」
ツバサはプロノフ艦長にそう告げた。
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