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「へぇ!そいつぁすげぇな!!」
すると突然ツバサの目の前に空間モニターが出現し、紫色のロングヘアーの女性が映し出された。
「リリス・ヘイル」一等陸尉、ヨーツンヘイムの砲術長を担当する男勝りな女性である。
「うわぁ!?」
「おっと、驚かせちまったか。
あーもったいねぇ、アタシに使わせてくれよ~…」
突然の事なので驚いたツバサに半泣き状態になりながらヘイルが頼み込むように言う。
「それはさすがに無理ですよ………!?」
苦笑いしながらツバサがヘイルに言った途端、突如艦内が激しく揺れた。
「艦長!!次元盗賊団の襲撃です!!
敵艦、L級巡行艦2隻!!」
「総員戦闘配置!!敵艦に牽制を加えながら後退して友軍からの増援を待て!!
……こんな時に限ってこの辺をうろつく連中に見つかるとは……!!」
通信士から現状の情報が届くとプロノフ艦長は悪態をつきながら命令を出す。
「艦長!!アタシ達にも撃たせろ!!」
すると突然プロノフ艦長の目の前に空間モニターが出現し、1人の女性の姿が映る。
「…ヘイル砲術長…本艦は退避行動中で前方の主砲は使えんのだ……」
「だがこの艦じゃすぐに追い付かれる!!
増援なんか待ってる暇はないんだよ!!
何のための大砲屋なんだよ!?」
ヘイルは男勝りな口調で艦長に抗議する。
「艦長、ヘイル砲術長の言っている事はかなり正論であります。
地上本部が事に気付き、部隊をよこすまでの時間、本艦では耐えきれないと判断します…」
ツバサは論理的に考えて艦長に告げた。
「しかし、本艦の主砲ではL級には太刀打ち出来ないのだ…」
「…「大蛇」を呼び起こしますよ…。」
艦長の言葉に若干冷や汗を書きながらツバサはそう返し、ヘイル砲術長を空間モニター越しに見据えた。
「サーチャーの全機、指定位置に到着……
これより、ヨルムンガンドの実戦運用試験を開始します!!」
ツバサは空間モニターを操りながら言う。
そのモニターには迷彩柄のバリアジャケットを身にまとい、人間と比べると僅かに大きい巨大な砲身を構えるヘイル砲術長の姿があった。
何と、砲術長はヨルムンガンドを抱えたままヨーツンヘイムの艦橋の上に佇立していた。
ヘイル砲術長の周りには監視、管理目的のために存在するサーチャーと呼ばれる監視ユニットが複数浮遊していた。
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