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「…よし!!配置に着いたぞ!!今なら連中の有効射程外から狙え撃てる!!
ヘッ…訳の解らねえ艦に乗せられて、実戦にも出れないかとヒヤヒヤしてたぜ…!!」
ヘイル砲術長はツバサにそう言った。
「それでは、初弾発射後に射撃プログラムの改善と瞬間冷却を開始しますので砲術長は気にせず次弾の装填を!!」
空中を飛ぶサーチャーから映される映像を見ながらツバサはヘイル砲術長に言う。
「任せな!!一発目から仕留めてやる!!」
するとヨルムンガンドの後部に左右に突き出た部分から円筒形の小さなものが転がってヨルムンガンドの砲身へと入った。
つい最近取り入れられたばかりの「カートリッジシステム」と呼ばれる物である。
ヨルムンガンドは絶大な攻撃力の反面異常なまでに運用者から魔力を吸い尽くしてしまうまさに大蛇と呼べる代物である。
それに対応するためにカートリッジ内に補充してある魔力を炸裂させ、運用者への負担を減らすのがこの場合のカートリッジシステムの利用法である。
「初弾装填!!ぶっ放してやるぜ!!」
そう言うと砲術長はヨルムンガンドの砲身を2隻のL級巡行艦の内1隻に向ける。
運用者の魔力とカートリッジによる魔力が端末内部で瞬間的に編成され、砲門に圧縮されたエネルギーが球体になって集まっていく。
そしてヘイル砲術長が現れたトリガーに手をかけ、その引き金を引いた。
すると圧縮されていたエネルギー体が一気に解放され、魔力とは異なる一種のエネルギー砲と化して敵艦へと直進していった。
エネルギー砲は僅かに敵艦を逸れた物の、あまりの膨大なエネルギーが空間湾曲を作り出し、そこに吸い込まれるように消え失せた。
「す…すげぇ………
初弾、右に逸れたが余波によるダメージで撃破完了!!
技術屋!!さっさと修正よろしくな!!」
ヨルムンガンドは即座に冷却のために冷気を噴出させ、ヘイル砲術長は次のカートリッジリロードを行いながらツバサに言う。
「了解しました!!頼むよワーカー。」
『All right.』
ツバサはヘイルに返すと右手に付けてある黒い腕輪に話し掛けた。
すると腕輪から機械音が聞こえると空間モニターに修正部位を打ち込んでヨルムンガンドに情報を送信した。
「砲術長!!射撃プログラムの修正、完了しました!!」
「…了解…!!…次弾装填!!」
ツバサの声にヘイルが返すのだが様子がおかしかった。
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