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「くそ…本当にバケモンだよコイツは……」
カートリッジの魔力があったにも関わらず、ヨルムンガンドはヘイルの魔力すら食らいつくしていたのだ。
全身から汗を流し、疲労感を感じながらもヘイルは再び引き金に手をかける。
荒く息をしながら朦朧とする視界の中、何とか照準を敵艦に合わせ、トリガーを引いた。
再び眠れる大蛇が牙を剥いた。
しかし、やはり焦点が合わないまま放ったため、第二射は大きく外れ、空間湾曲によるダメージも僅かにしか及ばなかった。
「外れた?…まさか射撃プログラムの修正が上手く出来ていなかった……?
………!!砲術長!!」
空間モニターに様々な観測データを映し出している中に紛れ込んでいたサーチャーから映し出された映像を見てツバサは驚愕した。
ヘイルはヨルムンガンドを落とし、その場に倒れ込んでしまっていたのだ。
「く…そ……動けよ……」
大蛇にほぼ全ての魔力が食らいつくされてしまっていたのだ。
無駄に長い髪が視界を遮り、左手でそれを拭う。
すると彼女の視界には教科書でしか見た事のないような物が映りこんだ。
対空誘導弾(ミサイル)、時空管理局によって厳しく運用を管理されている「質量兵器」と呼ばれる物であった。
次元犯罪者の中には質量兵器を運用する連中も多く、今回の場合L級巡行艦にミサイルを搭載させていたようだ。
ミサイルはヨーツンヘイムと艦橋に立つヘイルに降り注ぎ、寛大なダメージを与えた。
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